2014.03.05
海外勤務期間中の留守宅の賃貸収入に係る源泉徴収
役員又は従業員が1年以上の予定で海外に転勤すると、その海外勤務期間中は、一般的には日本の税法上の「非居住者」に該当することになります。「非居住者」は、日本において国内源泉所得のみが課税されます。
「非居住者」は、その非居住者期間中、国内に所有する不動産の貸付けによる所得があるときは、その所得は国内源泉所得に該当し、日本で確定申告が必要になる場合があります。確定申告が必要となる場合には、納税管理人を定めて、その納税管理人が、非居住者に代わって確定申告書の提出や税金の納付などを行うことになります。なお、納税管理人は、法人でも個人でも構いません。
海外勤務期間中、「非居住者」となった役員又は従業員が、国内にある自宅を個人や法人に賃貸することはよく行われています。この場合、借手(個人又は法人)は注意が必要です。日本の所得税法上、「非居住者」から日本国内にある土地や建物を賃借した場合には、その「非居住者」に対して対価を支払う際、原則として、20.42%の税率によって源泉徴収し、翌月10日までに納付する必要が生じます。しかし、借手が個人であり、かつ、本人又はその親族の居住の用に供するために借り受けた場合にかぎっては、その借手に源泉徴収義務は生じません。
なお、借手が源泉徴収義務者になる具体的な例としては、海外勤務者が日本の出向元法人に自宅を借り上げてもらうようなケース、あるいは海外勤務者がリロケーション会社と賃貸借契約を締結するようなケースなどが挙げられます。ただし、リロケーション会社から転貸で海外勤務者の留守宅を借りるような場合には、その借手は源泉徴収義務がありません。(YM)
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