2015.01.28
【連結納税/第6回】連結納税義務者・連結事業年度・申告期限・納付
連結納税を行う場合、連結子法人は連結納税義務者とはならない等、納税義務者、事業年度、申告期限、納付について、単体納税とは異なる考え方が採用されているものがあります。
【連結納税義務者は誰?】
連結親法人と連結子法人のすべてが連結親法人を納税義務者として法人税を納めることにつき国税庁長官の承認を受けた場合に、これらの法人を一つの納税主体として法人税を納めることとなります。この場合、連結納税義務者は連結親法人となります。
※連結親法人または連結子法人になれる法人については、第2回で解説しているので、ここでは省略します。
【連結事業年度とは?】
連結親法人に対しては、連結事業年度の連結所得に対して、法人税が課されます。
この連結事業年度とは、連結親法人の事業年度開始の日からその事業年度終了の日までの期間をいいます。また、連結親法人の事業年度と異なる事業年度の連結子法人は、連結子法人の事業年度にかかわらず、連結親法人の事業年度の期間を一の事業年度とみなして所得金額を計算することとなります。
よって、連結子法人の事業年度が連結親法人の事業年度と異なっている場合、連結子法人側では、一事業年度の途中で申告する必要があります。連結子法人側における事務負担を軽減するため、連結加入前に連結親法人と事業年度を統一しておくのが良いと考えられます。
<ポイント>
連結事業年度は連結親法人の事業年度が適用されます。
【申告期限は?】
連結親法人は、単体法人と同様に原則連結事業年度終了の日の翌日から2ヵ月以内に、連結確定申告書を連結親法人の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
一方で、連結子法人は、原則連結事業年度終了の日の翌日から2ヵ月以内に、個別帰属額の届出書等を連結子法人の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
ただし、会計監査人の監査を受ける必要があるなどの理由により連結確定申告書を連結事業年度終了の日の翌日から2ヵ月以内に提出できない場合には、連結親法人は納税地の所轄税務署長の承認を受けることにより、その提出期限を2ヵ月間延長することができます。(単体法人の場合は、1ヵ月間延長となります。)
【納付は誰が行う?】
納付は、連結親法人が連結法人税を連結事業年度終了の日の翌日から2ヵ月以内に納付しなければなりません。
また、連結子法人は連結親法人が納付すべき連結法人税額について、連帯納付義務を負うこととなります。
<ポイント>
納付は、連結親法人が行わなければなりません。
連結子法人は、連帯納付義務を負います。