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2015.02.27

【連結納税/第7回】連結納税のメリット・デメリット

連結納税を導入する場合、メリットだけでなく、デメリットも存在するため、導入の検討にあたっては留意する必要があります。

【連結納税のメリット】

 1. 法人税の軽減
  ⇒ グループ全体で所得を計算するため、所得がマイナスの法人がある場合には、プラスの法人と通算されます。
 2. 繰越欠損金の早期解消
  ⇒ 連結納税開始前の連結親法人の繰越欠損金を連結グループ全体で利用できます。
(平成22年度の税制改正により、一定の要件を満たした連結子法人の繰越欠損金の利用も可能になりました。)
 3. 試験研究費控除はグループ全体で適用
  ⇒ 税額控除の対象となる試験研究費の額は、連結グループ全体の合計額となるため、単体時よりも金額が大きくなり、適用の可能性が広がります。
  ⇒ 連結子法人単体では所得がマイナスで税額が算出されず、結果として税額控除を適用できない法人であった場合でも、連結開始後は連結法人税から控除できる可能性が広がります。
 4. 連結子法人の含み損の顕在化
  ⇒ 一定の要件を満たした連結子法人の資産に含み損がある場合、連結納税開始時にその含み損を計上できます。
これによりその連結子法人の連結納税開始前の法人税につき、繰戻還付を受けられる可能性があります。

<ポイント!>
連結納税を行うと親子会社間での損益通算が可能となり、グループ全体としての納税額を軽減する効果が期待できます。


【連結納税のデメリット】

 1. 適用をやめることが困難
  ⇒ 一度連結納税を適用すると、やむを得ない理由がない限り、継続して連結納税制度を適用しなければなりません。
 2. 連結子法人の欠損金切捨て
  ⇒ 連結納税制度適用前の連結子法人の繰越欠損金が原則切り捨てられます。(一定の欠損金額を除きます。)
 3. 事務負担の増大
  ⇒ 連結親法人及び連結子法人における法人税等の申告作業の事務負担が増えます。
 4. 中小法人軽減税率等の不適用
  ⇒ 連結親法人の資本金が1億円超の場合、連結子法人が中小法人に該当しても、法人税の軽減税率や交際費の定額控除限度額などのいわゆる中小企業向け特例措置は適用できません。
(逆に連結親法人が中小法人に該当する場合には、連結子法人が大法人でも適用ができます。)
 5. 連結子法人の含み益課税
  ⇒ 連結子法人の資産に含み益がある場合、連結納税開始時において、その評価益に課税される場合があります。


<ポイント!>
連結納税は、原則として継続適用する必要があります。

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