2020.04.09
【続報4月9日・タイ】新型コロナウィルス(COVID19)対策に関連するアップデート
新型ウィルスによる事業への影響の緩和策として、3月26日に掲載しました内容にアップデートがありました。
追記の緩和策とともに下記に赤字でお知らせ致します。
ー税務申告関連ー
ー2019年度個人確定申告(PND.90/91)の期限延長ー
例年3月末が申告期限のところ、2020年8月31日まで申告期限が延長されます。
(法令化しました)
ー2019年度法人税申告書(PND.50)の申告期限延長ー
2020年4月から8月の間に本来の申告期限を迎える法人について、8月31日まで期限が延長されます。
移転価格税制関連の付表(売上高2億バーツ以上の法人が対象)の期限も同様に延長となります。
2019年11月期から2020年3月期の間の決算事業年度が該当します。
(法令化しました)
ー2020年度中間法人税申告書(PND.51)の申告期限延長ー
2020年7月から9月の間に本来の申告期限を迎える法人について、9月30日まで期限が延長されます。
2020年11月期から2021年1月期の間の決算事業年度が該当します。
(法令化しました)
ー 月次申告の申告期限延長ー
3月、4月分の源泉税(PND.1、2、3、53、54)、及び国外支払VAT(PP.36)について、ペーパー申告、インターネット申告双方とも5月15日まで申告期限が延長されます。
(法令化しました)
3月、4月分のVAT(PP.30)と特別事業税(PT.40)について、ペーパー申告、インターネット申告双方とも5月23日まで申告期限が延長されます。
(法令化しました)
ー印紙税の申告期限延長ー
4月1日~5月15日の間に申告すべき印紙税について、5月15日まで申告期限が延長されます。
(法令化しました)
ー源泉税率の引下げー
2020年4月~9月の間の一部のサービス料の支払いについて、3%の源泉税率が1.5%へ引下げられます。
2020年10月からは2%に引き下げられますが、支払いをe-Withholding Tax System(その仕組は今後に公表)により行う必要があります。
(法令化しました)
ー月次社会保険関連ー
ー社会保険料率の引下げー
2020年3月から5月の社会保険料につき、以下の対応が取られます。
– 会社負担 :(2020年2月分まで) 5% → (3月~5月) 4%
– 従業員負担:(2020年2月分まで) 5% → (3月~5月) 1%
※ 3月の給与明細で本人負担5%を控除している場合、4月支給時に調整を行うことになります。
ー社会保険料納付期限延長ー
2020年3月~5月の社会保険料申告期限が3ヶ月延長されます。
– 2020年3月分 申告期限4月15日が7月15日へ
– 2020年4月分 申告期限5月15日が8月15日へ
– 2020年5月分 申告期限6月15日が9月15日へ
ー休業補償関連ー
ー政府命令による休業ー
政府の命令により臨時的に全部もしくは一部休業の必要がある場合、No work No Payの原則により、従業員への給与の支給は不要となります。
国の救済策として、60日を上限として従業員賃金(上限15,000バーツ/月)の補償が検討されています。
申請は雇用主及び従業員双方より以下の社会保険事務所のウェブサイトフォームより行う必要があります。
https://www.sso.go.th/eform_news/sso-covid19-benefit3.html
https://www.sso.go.th/eform_news/sso-covid19-benefit1.html
(タイ語のみ)
ー(参考)会社の判断による休業ー
上記に該当しないものの、今回の事態を受けて会社として休業を選択する場合、従業員への給与は全額支給しなければなりませんが、労働者保護法75条の規定により、3営業日前までに従業員及びLabour inspection officialへの通知を行うことで、75%以上の賃金支給とすることができます(ただし、慎重な手続きが必要)。
ーその他税制関連ー
ー中小企業の人件費の追加控除ー
中小企業(SMEs)に該当する法人は、2020年4月から7月の間に支払いをした給与の額(社会保険に加入し、給与額が15,000バーツ/月を超えない者に限る)について、法人税の算定上300%の控除(会計上の対象費用+その2倍)が認められます。
※中小企業(SMEs):年間売上高が5億バーツ以下で、従業員が200名以下の法人
ーVAT還付処理の緊急早期化ー
優良輸出企業(税務当局より承認を受けた法人)に対するVATの緊急的還付措置を行います。WEB申告の場合は15日以内に、所轄税務署に申告書を提出した場合には、45日以内に還付いたします。
ー中小企業の借入利息費用の追加控除ー
ウィルスによる事業への影響を緩和するための、低金利ローンプログラムに加入している中小企業(SMEs)は、二重帳簿をしていないことを要件に、2020年4月1日から同年12月31日までの借入利息費用について、法人税の算定上、150%の控除が認められます。
※中小企業(SMEs):年間売上高が5億バーツ以下で、従業員が200名以下の法人
ー債務解消策の税制特別恩典ー
ウィルスの影響を受けた事業者が、債務の解消策に関連し、諸税および政府手数料について以下の対策が予定されています。
1. 債務者、債権者の所得税、VAT、特別事業税、印紙税の免除措置
2. 債権者が、2020年1月1日から2021年12月31日の間で行う不良債権の償却について、損金算入要件を緩和
3. 不動産やコンドミニアムの移転登記や抵当権設定に係る政府手数料を、2%から0.01%へ減額
一部法制化されていないものについては、最終的に変更される可能性がございます。
本ブログは、タイ認定会計事務所―朝日ネットワークス(タイランド)株式会社(ASAHI Networks(Thailand) Co., Ltd)の原稿提供により掲載しております。
2020年4月9日
朝日税理士法人は、朝日ネットワークスインドネシア(株)、朝日ネットワークス(フィリピン)(株)、朝日ネットワークス(タイランド)(株)と連携し、移転価格文書化等各種国際税務サービスを提供しております。
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