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2016.10.28

【連結納税/第19回】連結法人税

 ① 連結法人税の精算

連結法人税は、連結グループ全体で所得を計算し、その所得に税率を乗じて算出します。

(連結申告書)                           (単位:円)

親会社

子会社

合計

連結所得金額

1,500,000

△670,000

830,000

連結法人税額税率(23.4%)

351,000

△156,780

194,200

(納付は100円未満切捨)

 

会計仕訳を次のように起こしました。

                                  (単位:円)

借方

貸方

親会社

法人税等 350,900

未払法人税等 194,200

未払金        156,700

子会社

未収入金 156,700

法人税等     156,700

※100円未満は切捨て計上

 

親会社は法人税として「国」へ194,200円を納付します。また「子会社へ」156,700円を支払います。

(単位:円)

借方

貸方

親会社

未払法人税等 194,200

未払金       156,700

現預金  350,900

子会社

現預金       156,700

未収入金  156,700

 

これで連結法人税の支払処理終了!という気もしますが、よく見ると・・・

(連結申告書)では親会社は子会社へ「156,780円」を支払うはずが、仕訳を起こした「156,700円」しか支払っていません。残りの「80円」は支払わなくてもよいのでしょうか?

答えは、どちらでも構いません。平成22年度税制改正で「グループ法人税制」が設立され、完全支配関係(100%の保有関係)のある法人間の「寄附金」及び「受贈益」とされる取引はいずれも「損金不算入」及び「益金不算入」となりました。

 

税制改正前はこの「80円」の精算をしていない場合には、「子会社 80円の寄附金不算入」「親会社 80円の益金算入」でした。

※親会社は1度80円を子会社へ支払い、その80円を子会社からもらう。結果資金負担なしという考え方。

 

親会社

子会社

税制改正前

受贈益の益金算入

寄附金の損金不算入

税制改正後

受贈益の益金不算入

寄附金の損金不算入

 

したがって80円は精算してもしなくても実質的には所得計算に影響を及ぼしません。ただ精算されない端数が連結申告書上に残り、それが毎年続くといつの事業年度の分かわからなくなるので(細かい端数金額だとなおさら)、実務上は毎年精算し、残額0円とすることをお勧めします。

 

 ② 連結法人税の納付

連結法人税は、連結親法人が国へ納付します。もし親法人が納付できなかった場合は、連結子法人が代わりに国へ納付しなければなりません。これを「連帯納付責任」といいますが、上記①のように子法人の所得がマイナスの場合でも納付は免れません。

親の代わりに納付してあげるのも、立派な親孝行でしょうか・・・?

以上

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