2017.12.06
【連結納税/第26回】連結法人間での寄附金・受贈益
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今回は、連結法人間での寄附金・受贈益について書きたいと思います。
【 単体納税の場合 】
<寄附する側>
法人が支出した寄附金は、原則として一定額を超える部分の金額が損金の額に算入されないこととなっています。
具体的には、国等に対する寄附金や指定寄附金については全額損金の額に算入されますが、一般の寄附金や特定公益増進法人等に対する寄附金のうち一定限度額を超える部分の金額は、損金の額に算入されないこととなっています。
ただし、100%グループ内の法人間で行われる寄附については、平成22年度税制改正で創設された、いわゆる「グループ法人税制」が強制適用されることとなります。
「グループ法人税制」は、完全支配関係を有する法人をグループとして捉え、グループを一つの法人として捉えるようなしくみです。
そのため、100%グループ内の法人間で行われた寄附はなかったものとして考えるため、寄附金は税務上全額損金不算入となります。
平成22年度税制改正に伴い、別表十四(二)に新たに「完全支配関係がある法人に対する寄附金額」の欄が追加されましたので、そこに寄附金額を記載することとなります。
別表十四(二) 5欄
別表十四(二) 23欄
<寄附を受ける側>
法人が寄附を受ける場合には、全額益金の額に算入されます。
ただし、100%グループ内の法人間で寄附が行われた場合、上記と同様グループ法人税制が適用されるため、受贈益は税務上全額益金不算入となります。
受贈益については、別表四の減算欄・16に受贈益の金額を記載することとなります。
別表四・減算 16欄
【 連結納税を採用している場合 】
<寄附をする側>
連結納税制度は任意に選択できる制度ですが、連結納税制度を採用している連結法人間で寄附が行われた場合には、上記で触れたグループ法人税制と同じような規定があり、全額が損金不算入となります。
<寄附を受ける側>
連結法人間で寄附を受けた場合についても、グループ法人税制と同様で受贈益は全額益金不算入となります。
【 まとめ 】
連結納税制度を採用しているか否かにかかわらず、100%グループ内で行われた寄附により発生した寄附金・受贈益は、全額損金不算入・全額益金不算入となります。
連結納税制度とグループ法人税制は両方ともグループを一体として捉える制度であるため、寄附金・受贈益について全額損金不算入・益金不算入とすることにより、グループ全体では課税所得に影響を与えないこととなります。
以 上
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